二世帯リフォーム

「親が年をとったから」
「経済的に楽になるから」

他にも、親世帯の介護や共働きによる家事育児の支援などの理由で、二世帯同居をする方が増えてきています。あなたは、今、または将来的に、二世帯同居をお考えですか?元々一世帯で生活していた家に二世帯で暮らすとなると、家屋や設備の老朽化、生活スペースの割り振りなど、様々な問題が発生します。
そしてその解決手段の一つとして、二世帯リフォームがあります。

このページでは、「生活習慣の違い」や「気を遣う」といった問題をクリアして、二世帯同居のメリットを最大限に活かすためのリフォームのコツをコラム形式でご紹介していきます。


平成19年度国民生活白書によると【65歳以上の世帯と既婚の子供世帯が同居する割合】は昭和55年には52.5%だったものの、平成21年には23.3%と半数以下に下落しています。統計的には二世帯、三世帯の同居は減少しつつあります。

厚生労働省が60歳以上の人を対象に【将来の子供との同居についての意向】を調査した結果、将来同居を考えている人は41.1%となっており、平成13年の同調査からは減少。ライフスタイルや価値観の多様化や、人間関係にも気を遣う・・という理由も見られるようです。

しかし、減少し続けていた二世帯同居も平成20年ごろから増えてきています。住宅メーカーが20~30代の人を対象に行った【二世帯同居に関するアンケート調査】によると 51.1%が同居に前向きという結果が出ました。

確かに、ここ最近二世帯リフォームが増えています・・・・・・さて、その理由は何でしょうか?


リクルートの調査によると、二世帯リフォームのきっかけは、以下のようになっています。


経済的に楽になるから 21%
親が年をとったので  20%
親に世話を手伝ってもらえるから 14%
親の介護のため 7%
仕事の関係で実家近くに戻ることになったから 3%

つまり、核家族化が進む中、今までは別居率が上がっていたものの、「住まいにかかるコストや家計の負担を減らしたい」「共働きなので親に子供の面倒を見てもらいたい」と言う子世帯側からの想いと

「歳を取ってから介護などの面倒を見てもらいたい」「何かあった時に近くにいると頼りになる」という親世帯側の想いがリンクし、徐々に増えているという事です。

「生活習慣の違いや」「気を使う」という現実の問題も確かにありますが、そこをしっかり押さえて二世帯リフォームを成功させるポイントをこれからご紹介していきます。





二世帯リフォームのやり方として、「完全分離型」「一部共有型」「完全共有型 」とがあります。


「完全分離型」とは、共有スペースを全く作らずに、完全にプライバシーを尊重する環境です。具体的には、玄関が2つあったり、キッチン、バス、トイレなども2つあるような感じです。建物は横同士や1階2階と上下に繋がっているけど、それぞれの住環境は別々と言う形です。光熱費も別々にする事が多いです。
「一部共有型」とは、基本的には分離しているのですが、一部を共有しているタイプです。例えば、玄関、バス、トイレ、リビングなどは共有でキッチンは別々というタイプです。二世帯リフォームの中でも多いタイプです。生活時間やライフスタイルが違うためキッチンやダイニングはそれぞれの想いで作るケースが多く、それ以外は予算の関係もあり共有にするというタイプです。
「完全共有型」は寝室などのプライベートルーム以外はすべて共有しています。二世帯リフォームの中では最も費用も安く、手軽にリフォームできるタイプですが、プライバシーの問題などで、ストレスが溜まることも考えられます。また、息子夫婦同居と娘夫婦同居によっても大きく違ってきます。女性が新たに家族に加わる息子夫婦同居には嫁のプライバシーの確保・家事分離が必要です。反対に最近多い男性が家族に仲間入りする娘夫婦同居、ますおさんのような状況は帰宅時間や入浴時間も違うので玄関分離も考えられます。建て方による分け方は、「水平分離」と「垂直分離」になります。大体は、親世帯が1階に住むことが多く、子世帯が2階に住むことが多くなります。

このように、一口に二世帯といっても様々な分け方がありますので、自分達の生活スタイルにあった二世帯住宅にしていきましょう。




二世帯住宅リフォーム「登記」や「名義」はどうしたらいいでしょうか?ローンや税金問題(贈与税・固定資産税)などが関わってくるので考えておいた方がいいでしょう。二世帯住宅リフォーム後の登記には「単独登記」「共有登記」「区分登記」の3種類があります。
二世帯住宅を一戸の住宅として、親または子のどちらかの単独所有として登記する場合をいいます。子の単独登記は贈与税が発生するケースがありますので注意してください。不動産取得税や固定資産税の軽減措置が受けられるかどうかは、土地および建物の広さも関係してきます。

親と子の共有の所有とする登記する場合をいいます。二世帯住宅リフォームにかかったそれぞれの費用の割合に応じて登記すれば贈与税は発生しません。住宅ローン控除は親・子ともに適用されます。

二世帯住宅を二戸の住宅にわけて登記する方法です。区分登記は二世帯住宅が「完全分離型」であることに限られています。不動産取得税や固定資産税の軽減措置が受けられるかどうかは、一棟の住宅を二戸に区分して判断されます。

二世帯リフォームに合わせて、建物の名義変更をする場合、贈与の対象にならないように注意が必要です。もちろん、贈与となっても贈与税を払う予定でしたら問題はありませんが、それを知らずに名義を変えたりしていると後から予定外の贈与税がかかったりします。

二世帯リフォームで、親世帯、子世帯とも各1,000万づつ負担していた場合、建物の価値と同じ割合で登記すれば問題ありませんが、これ以上の割合で子世帯の持ち分とすると贈与とみなされる場合があります。

ただし、今年は住宅資金の贈与税の非課税枠1,000万円がありますので、それを利用すると贈与とみなされなくなります。その辺りも考えて登記をされたらいいと思います。




二世帯リフォームのプランニングで多いトラブルは「プランの希望が言えない」と言う事です。

「そんなばかな?」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、私自身過去何十組も二世帯のリフォームのお話を聞いてきましたが、実は「プランの希望が言えない・・・」と言う場面を何度も目にしています。多いのは、ご主人の両親と同居する場合のお嫁さんです。

ご両親が費用を出して二世帯リフォームを進めている場合など、まず言われない方が多いです。それでOKなのかな?と思っていると、ある時息子さん夫婦だけでプランの打合せをしていたら、「私はキッチンを別にしたい・・・」とポツリとおっしゃいました。なかなかご両親同席の場合は言いにくいようです。

逆に、息子さん夫婦が主導で話を進めている場合、お母さんが言いにくいと言う事もありました。「家族でよく話し合って下さいね」と言っても、なかなかその時間がとれなかったり、取れたとしても本音で言い合う事が難しかったりと言うのも実際はあるようです。

予算とスペースの関係でキッチンを2つ作るのは難しいなと思いながらも、本当は何とかしてでも自分達のキッチンが欲しいと思っていたり、できればプライバシーを保ちたいから寝室に鍵を付けたいと思っていてもそれを切りだすと、家族しかいないのに鍵をつけるなんてと角が立ちそうで言い出しにくい。そんなことになりがちです。

そういう時は、各世帯ごと別々にに話を業者と行って、それぞれ言いにくい事をくみ取ってもらい、業者側から提案として言ってもらう事です。「二世帯リフォームの成功のポイントをお教えします」と。
私が以前話をさせてもらった方の中には、二世帯の新築を立てたが5年で家を出ましたと言われた方がいました。最初は、良いと思って話をしたものの、ご両親主導でプランも進み、出来上がって住んだは良いものの、徐々にお嫁さんの不満が溜まりご主人も仕方なく出ることになったようです。

広い二世帯の家に今はご両親だけ住んでいるようですが、せっかく家族が仲良く暮らすための二世帯住宅だったのに残念です。そんなことにならないためにも、お互い言いたい事を言える様、言いにくい事も理解してくれて上手に進めてくれる業者を選びましょう。




二世帯住宅で出てくる問題に「水道光熱費はどうするか?」とい取り決めがあります。息子さん夫婦が若く、ご両親の収入のウェイトが高い家庭では、「水道光熱費くらい面倒見てあげるよ」とお父さんが言われるかもしれませんし、逆に両親がかなりご高齢の場合は子供世帯がすべて見るようになるかもしれません。
分け方としては、水道メーターや電気メーターを別にして、それぞれが使った分を払うと言う方法があります。特に完全分離型にしている場合はわかりやすいです。

ただし、電気メーターや水道メーターを別々に取り付ける必要があるのでプランニングの段階で考えておいた方がいいでしょう。

もう一つは、メーターは一つだけど、それぞれが使った分を払うと言う方法です。もちろん、メーターが一つなのできっちり使った分は出せないかもしれませんが、「折半」とか「6:4」とか事前に取り決めをしておいた方がいいでしょう。

住み始めてから「あなた、電気使いすぎでしょう」なんて言われるのも嫌ですから、本当はメーターを別にできたら一番いいのですが、屋内配線が別々になっている場合はメーターを2つ付けて契約を別にする事も可能です。
ただし、基本料金が二重に発生するのでそれぞれの世帯を足した場合は割高になる事もあります。もちろん工事費用も引きこみや分電盤などを2つ付けると割高になります。

同様に水道メーターも工事代はかかるが二世帯住宅なら2つ付ける事は可能です。工事代がかかるのは嫌という事で水道メーター一つで、案分する事も可能です。ただ、水道の場合、水道料金は使用量に応じて課金されていくので使用量が多ければ多いほど割高になっていきます。今まで別世帯で住んでいた水道料金が二世帯になると合算した金額以上になったりすることもあります。

お客様の中には、「メーター分けた方が良かったのでは・・・」と言う方もおられたので、そこは事前に水道局に確認されるといいでしょう。折半にしても、必ずどちらかの世帯が多く使っている(概ね子世帯が多い)という事になりかねません。決してそうなったとしても揉めないようにしっかりと事前に話しておくことが大切です。




二世帯リフォームと言うと「戸建て住宅」しか思い浮かばないと言う事はないでしょうか?

実は、マンションの二世帯住宅もあります。

先日、中古住宅を購入して二世帯にリフォームをしたいというお客様が来店されました。最初は戸建て住宅でお話しをしていましたが、お話しが進むにつれて「マンションもいいと思っています」とのこと。マンションで親世帯で暮らす事を考えた場合まず思い浮かぶのが同じマンションの別の部屋を買う事です。これは二世帯と言うよりも親の近所に住むと言う感覚です。

今回はたまたま、同じマンションで考えているエリアに隣同士でいっぺんに物件が出ていたのでご案内することにしました。
場所的には気に入っていただいたのですが、隣同士で行き来出来ないと言う事で、結局取りやめになりました。「壁が取れたら・・・」という希望もあったのです が、分譲マンションの隣同士の壁を抜くことはできません。やはり、気軽に親子世帯に行き来できるようにすることは大切です。

結局、127㎡の築30年のマンションを購入して全面リノベーションをすることにしました。マ ンションで2世帯の場合は、できれば120㎡~140㎡あれば親世帯、子世帯の部屋が十分に取れます。水回り設備は基本的に1か所づつで、部屋を親世帯寝 室(分ける場合は2部屋)、子世帯寝室、子供部屋(小さい時は一つでいいが、大きくなる事を考えて人数分)、そして広いLDKがあれば概ねいいでしょう。

子供が小さかったり、大人が少ない場合は4LDKでもいいですが、できれば5LDK取れるようにプランニングしたほうがいいです。鍵一つで防犯も安心なマンション。探せば、意外に140㎡超のマンションもありますので検討の中に入れてみてください。




増築でどんな二世帯住宅リフォームができるでしょうか?。一般的に増築で二世帯住宅にリフォームする際に増やす部位とは、次のような箇所が多いです。
親世帯・子世帯間の生活時間のずれによる暮らしにくさの発生を、玄関を2つに増やすことで解決することができます。子世帯が深夜遅くになったり、親世帯が早朝出かけたりする時の物音なども気にすることがありません。

キッ チンを増やすことで二世帯間の食べ物の嗜好の違い、食卓を囲む食事の時間の差が解消されます。特にお嫁さんなどはキッチンを使う事に遠慮がちになりかねま せんので、出来たら分けたほうがいいでしょう。2階を増築して、2階に子世帯のキッチンを持ってきたことがあります。

トイレが一か所だと二世帯で大人数だと朝など使用時間が重なります。できれば増やすことで、二世帯の生活時間の束縛はかなり解消されます。スペースが無い場合は増築が必要です。
寝室を増やすことは二世帯住宅リフォームの基本です。子供部屋も将来を考えて増やしておくことが必要です。また、二世帯共用の納戸をつくっておけば、お互いが使えて居住スペースがすっきりします。

二世帯住宅へ増築する場合の注意点は、「構造上の問題」「建築基準法の問題」をクリアにしておく必要があります。
柱、梁、壁は増築に耐えられる強度があるでしょうか?2階を増築するなどの場合、その重さで1階に負担がかかり耐震強度不足になる場合があります。

また、2階を増築する場合、基礎がその荷重に耐えられるような設計になっていますでしょうか?必要に応じて基礎の新設や増し打ちを実施します。
建蔽率、容積率の範囲でしょうか?例えば100m2の敷地で「建蔽率50%・容積率100%」場合、家の建てられる1階床面積は50m2以下。総二階建てにリフォームしたとして2階も50m2以下となります。増築は様々な制約を受けます。増築部、既存部を含めた構造計算なども必要です。「狭いから部屋を増やしたい」とは簡単にいかない場合が多いです。今ある部屋や空間の有効活用も踏まえながら、増築プランをたてていきましょう。




二世帯リフォームをするにあたってバリアフリーリフォームはおさえておきたいポイントの一つです。最初からフル装備にするのではなく、必要になった時必要なことを施せるように可変的に準備しておくことが大切です。

今すぐ手すりをつけるつもりはないという場合でも「手すりの下地補強」をしておくことをおすすめします。手すりは下地が無いとつけられません。いざつけよう とというときにまたクロスを貼り替えたりしなくてもいいように二世帯リフォームの際に考えられるところは下地を入れておきましょう。

手すりには、歩く時の支えとなる横手すりと立ち上がる時などに引き寄せる役目を果たす縦手すりという役目があります。それに合わせて下地補強を行っておくとどんな場合も対応が可能です。

また、水回りは転倒事故が集中する場所ですので、早めに手すりを設置しておきたいものです。特に浴室・トイレの手すりは、年齢に関係なく手すりの設置を行いましょう。 ポイントは10年後、20年後を考えてその時に簡単に手すりが付けられたりリフォームできるように事前準備をしておくことです。

家の中の段差、家の外の段差を徹底的になくすことが事故を防ぎます。廊下から居室への入り口やトイレ、浴室など水周りの入り口はバリアフリーにする事です。また、玄関の上り框などは高いので、式台を設けたり、座れるようなベンチを作る事もいいでしょう。小さな子供さんも兼用して使えます。

ドアから引き戸にすることはバリアフリーの基本です。ドアだと開け閉めする際に後ろに下がったりと、余分な動きが必要になってきます。また、ドアノブは握力の低下も考えて、レバータイプや大型の取っ手にするなど工夫しましょう。

Vレールなどを使って、指一本でスムーズに開くようにするのも負担がかからないのでいいです。また、大掛かりな工事にならないようにするには、アウトセット引き戸を使うと簡単に引き戸への変更が行えます。

トイレはできたら親世帯の近くにあるほうがいいでしょう。高齢者はどうしても、夜中にトイレに起きたり、早朝に行くケースが多くあります。夜間暗いところを 歩いたり、半分寝ぼけて歩く場合はとても危険です。転倒してけがをしたりしてはいけません。出来るだけ距離を短くしましょう。

照明なども明るすぎると目が覚めてその後寝れなくなりますので、ゆっくりと明るくなるタイプの照明などがいいでしょう。また、将来車いすなどの可能性を考えたら、三枚引き戸や介護用スペースのとれる広めのトイレにしておきましょう。もちろん、和式でなく洋式にすることは絶対です。

冬場にリビングから寒い廊下に出たときとか、脱衣所から浴室に入ったときなど、温度差によって血管が収縮し、心筋梗塞や脳出血を起こす恐れがあります。浴室や洗面、トイレの断熱を行い、ヒートショック対策も考えておきましょう。暖房換気扇や床暖房などもありますが、まずは床壁天井をしっかり断熱することからです。

フローリング材にワックスが掛かっている場合、高齢者などは足元がおぼつかない時などすべりやすくなります。また、ビニルの床材やタイルなども水周りに多く使いますが塗れているととても滑りやすくなります。

水周りの床材は滑らないように慎重に選びましょう。洗面室などは、コルクタイルや竹の無垢材などもあります。床材は無垢材などははだしで歩いても気持ち良く、そんなに滑ったりはしません。高齢者の親と住む可能性が高い二世帯リフォームはバリアフリーは必須と言う位にプランニングに取り入れておきましょう。




二世帯リフォームのメリット・デメリットをそれぞれあげます。

建築費が抑えられる

水回りや部屋を共有することになりますから、2軒建てるより工事費はずっと安くなります。特に、子世帯は戸建て新築を購入しようとしても予算的に難しい場合がありますが、親世帯の家をリフォームすることによって住む事ができる。



土地を有効活用できる

土地を新たに購入して戸建て新築を建てようと思うと大変だが、親世帯の土地を有効に活用して新築またはリフォームをすると住宅購入費が安くつく。



祖父母と孫が一緒に住む事の大切さ

各世代間のコミュニケーションが豊かに取れ、家風といった目に見えない価値を継承することができます。特に、おじいちゃん、おばあちゃんと子供さんが住む事が躾や教育に繋がる。



子供の面倒を見てもらえる

夫婦共働きが多い中、保育園に預けたりしなくても、両親に見てもらえたりすることができる。また、急に熱を出した時に、たびたび会社を休んだりすぐに迎えに行かなくても両親に見てもらえる可能性がある。



介護等将来面倒を見てもらえる

将来的に介護が必要になったり、突然調子が悪くなったときにも、そばに子供がいてくれたら安心です。一緒に暮らすことによって、面倒を見てもらえると言う安心感が親世帯にもあります。




共用部分が使い難くなる

親世帯、子世帯、どちらかにリビングに客があるような場合、他の世帯がリビングに行くのを我慢してしまうような場合がある。



生活時間のずれ

親世帯と子世帯では生活時間が違います。夜間での共用部分での音などが、他の世帯に迷惑をかける場合があります。帰宅時間の違いや入浴の時間帯なども違うので音が気になったりすることがあります。



水道光熱費の取り決め

光熱費や水道料金をどうするか決めていないとあいまいになる。両世帯が同じ量だけきっちり使うと言うことはないのでどうするか事前に決めておく方がいい。



プライバシーの問題

突然部屋に入ってこられたり、音の問題などで気を使う事がある。寝室は鍵を付けれるようにしたり、防音にすることによりプライバシーを保つ方がいいでしょう。


それ以外にも多くのメリット・デメリットがあります。これらをしっかり把握したうえで二世帯リフォームを行ってください。デメリットもありますが、最近ではメリットの方を強く感じているからか、二世帯リフォームが増えていることは確かです。音やプライバシーの問題も工事で最小限に防ぐこともできますので、しっかり事前に話をしたうえで専門家に相談しましょう。





二世帯リフォームをして住む場合、ローンを組む事が多いと思いますが、どのような組み方があるのでしょうか?概ね「親子ペアローン」で行う場合と「親子リレーローン」で調達する2つの方法があります。

親と子が同時に別口で借り入れるローンです。二世帯住宅が完全分離型で区分登記している場合、住宅ローン控除や不動産取得税や固定資産税などの税の軽減措置も親子それぞれが受けることができます。

当初は親がローンを返済する立場の債務者となりますが、親が死亡した後は、子が債務を引き継ぐことになります。このローンには親の完済する年齢の制限がなく、ローンを引き継いだ子も80歳までに完済すればいいため、親の年齢が高い場合によく活用されているローンです。なお、住宅金融支援機構には返済期間が長い「超長期親子リレーローン」もあります。

親子で借りられるローンは、二世帯分の収入を合算でき、また子の年齢で返済期間を設定できますので、個別に住宅ローンを組むよりも多く借りられることできます。しかその分気をつけておかなければならないポイントもあります。

団体信用生命保険は保障期間が80歳までの場合が多く、親が80歳を過ぎて返済途中で亡くなってしまった場合は、子どもが返済を引き継がなくてはなりません。その時も無理なく返済できるかをシュミレーションしておきましょう。

二世帯住宅にリフォームした場合、一定の条件を満たせば、不動産取得税および固定資産税の軽減措置を受けることができます。

二世帯住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下の場合、住宅の価格から1200万円が控除されます。控除後の住宅価格に税率3%をかけたものが税額になります。

税額=【住宅価格-1200万円】×3%

一戸の住宅について土地が200㎡までの部分は、課税標準額の1/6に軽減されます。200㎡を超えると軽減される割合は1/3になります。不動産取得税や固定資産税などの通知は、区分登記であればそれぞれの世帯に対してなされます。単独登記・共有登記の場合は、それぞれの代表者に通知されます。ローンや税金の事も理解して資金計画をしていきましょう。




減少し続けていた二世帯同居は平成20年頃から増加。同居に前向きな20〜30代の姿が多く見られ、子世帯は「生活コストや家計の負担を減らしたい」、親世帯は「介護などの面倒をみてもらいたい」そうしたお互いの思いがリンクしていることが、二世帯リフォームの増加につながっているようだ。

祖父母と孫が一緒に暮らすことの大切さ

同じ屋根の下に親世帯と子世帯が暮らすことで、それぞれの世代間のコミュニケーションがしっかり取れ、家風といった目に見えない価値を継承できる。祖父母と孫の同居は、正しい躾や教育にもつながる。

土地を有効活用できる

土地を新たに探して購入し、新築の戸建て住宅を建てるのは大変。その点、親世帯の土地を有効に活用して新築またはリフォームをすれば、住宅購入費が安く抑えられる。これは大きなメリットといえそうだ。


共用部分が使いづらくなる

両世帯の共用スペースであるリビングに、親世帯か子世帯どちらかの来客があるような場合、一方の世帯がリビングに行くのを我慢したり遠慮したりしてしまうようなことも起こりがち。

水道光熱費の取り決め

光熱費や水道料金について、支払いをどのようにするかあいまいにしたままだと、後々揉め事にもなりかねない。両世帯が同じ量を使用することはないため、事前にはっきりと決めておくことが望ましい。

生活時間のずれ

世代の異なる親世帯と子世帯では、たいてい生活時間が違うもの。帰宅時間や入浴時間帯の違いにより、例えば、夜間に共用部分での音が気になるなど、互いの世帯に迷惑をかける場合がある。

プライバシー確保の問題

突然寝室に入ってこられることのないように、あるいは生活音に気を遣ったりと、プライバシーの確保は重要。寝室には鍵をかけられるようにしたり、壁を防音型にするなど、プライバシーを保つ工夫は万全に。




二世帯住宅は大きく分けて3タイプ。完全にスペースを分離させた「完全分離型」、玄関や浴室など一部だけを共用する「一部共有型」、多くの生活空間を共用する「完全共有型」。それぞれのメリットとデメリットを考慮して、気持ちよく同居できる間取りを選択しよう。


完全分離型

横に並んでいたり、1階と2階で上下につながってはいるものの、玄関やキッチン、浴室などを親と子それぞれの世帯に設けるなどして、住環境をまったく別々のものにするのが「完全分離型」。同じ敷地内に別棟を建てる場合もこれに含まれる。共有スペースをまったくつくらないことから、完全にプライバシーを尊重した間取りといえる。

一部共有型

基本的には分離しているが、一部は共有しているタイプが「一部共有型」。玄関、浴室、廊下などは共有し、キッチンやそれぞれの居室は各世帯で別々にもつなどで間取りが効率よくまとめられる。親世帯と子世帯で異なる生活時間やライフスタイルを考慮しつつ、予算上の都合で一部共有にするこのタイプは、二世帯リフォームの中で最も多い。

完全共有型

寝室や個室以外はすべて共有する「完全共有型」。二世帯リフォームの中では最も費用を安く抑えられ、手軽にリフォームできるが、息子夫婦同居と娘夫婦同居でも事情が異なる。息子夫婦同居の場合は、お嫁さんが言いづらい要望をくみ取るようにし、家事分離にも配慮する必要がある。多くのケースで親世帯が1階に、子世帯が2階に住むという形を選択。




建築費用が抑えられ、比較的リフォームをしやすい完全共有型の二世帯リフォーム。大きな間取り変更を伴うものから、部分的な改築で実現できるものまで、広島で実際に行われた完全共有型の二世帯住宅リフォームの実例を紹介しよう。


ライフスタイルの違いにあわせたリフォーム

母親と同居することになったSさん一家が、築30年の実家をリフォーム。これまでほとんど使っていなかった2階部分をSさん親子の生活空間にし、階段の上り下りを少なくするため1階に母親の居室を配置。和室は天井まで開口した窓から射し込む光で明るく、白を基調とした玄関も爽やかな印象。1階のキッチンは2階へ移動させてLDK空間をつくり、床には明るく肌ざわりの良いパイン材を貼って心地良い空間に仕上げた。
リビング
子供部屋
和室
玄関

リフォーム概要

キッチンを1階から2階へ移動し、明るく開放的なLDKを新設。隣の子ども部屋との仕切りをなくし、LDKの延長感覚で広々とした生活空間を創出。システムバスやトイレも一新して快適性もアップ。トイレや浴室など共有部分はすべて1階にまとめている。
種類 戸建て
築年数 30年
施工箇所 2階全面
工事期間 2ヵ月
家族構成 祖母+夫婦+子ども2人
施工 マエダハウジング五日市店

バリアフリーリフォーム

二世帯で暮らしていたが、段差や間仕切りの多さ、食卓は暑さと寒さが深刻な北側の暗い土間、外にあったくみ取り式のトイレなど、現在のライフスタイルとの大きなギャップを解消して家族が安心して暮らせる家にリフォーム。夫婦の部屋は和室から洋室にし、外にはウッドデッキ。天窓のおかげで明るさを増し、快適になったLDKで家族全員が食卓を囲めるようになった。
リビング
手すりの設置
浴室やトイレには安全のため手すりの設置が望ましい。今すぐ付けなくても手すりの下地補強はしておこう。
扉から引き戸に
開閉時に後ろに下がる動きが必要なドアを引き戸にしたり、Vレールなどで開閉時の負担を減らすのも有効。
施工中の様子

リフォーム概要

北側の和室2室と廊下をひと続きにして広いLDKを実現。土間は取り払い、子ども部屋と両親の部屋を配置。トイレは高齢の両親の寝室横に確保し、車椅子の祖母のためにスロープを設置。パインの無垢材や珪藻土壁など自然素材も多用して、快適性を一段と高めた。
リフォーム費用 約1000万円
施工面積 70㎡
種類 戸建て
築年数 45年
施工箇所 和室2室を除く全面
工事期間 3ヵ月
家族構成 祖父母+夫婦+子ども2人
施工 マエダハウジング五日市店




これまで紹介してきた方法以外にも、「増築」と「減築」を伴うリフォームや、マンションで行うリフォームなど、二世帯リフォームにはいくつかの方法がある。将来のことまでしっかり考えて、自分たちに合ったリフォーム方法を選択しよう。

増築して二世帯リフォーム

現在住んでいる住宅を増築で二世帯住宅にリフォームする場合、各世帯がこれからどんな暮らし方を望むかでリフォームの範囲は異なってくる。一般的に、二世帯住宅のリフォームにおける増築部分は下記のような箇所になる。

玄関を増やす

子世帯が深夜に帰宅したり親世帯が早朝に出かけるときの物音が気になるなど、各世帯の生活時間のずれによって発生する暮らしにくさは、玄関を2つにすることで解決できる。

キッチン・トイレを増やす

キッチンを増やすことで、二世帯間の食べ物の嗜好の違いや食事の時間の差を解消。お嫁さんはキッチンを使うことに遠慮がちになるため、できればキッチンは2つに。朝に使用時間が重なるトイレも生活時間束縛の解消のため2つが望ましい。

寝室を増やす

二世帯住宅リフォームの基本は寝室を増やすこと。さらに、二世帯が共用できる納戸があれば、お互いが使えて居住スペースがスッキリする。

構造上の問題点

柱や梁、壁が増築に耐えられる強度をもっているか要注意。2階を増築する場合、その重さで1階に負担がかかり、耐震強度不足になる恐れも。基礎の新設や増し打ちが必要になることもある。

建築上の問題点

法律で定められた建ぺい率や容積率の範囲内に収まっているかを要確認。既存部を含めた構造計算も必要になるなど、増築は様々な制約を受けるため、なかなか簡単にいかないのも事実。

減築して二世帯リフォーム

家族と暮らしのサイズに合わせて家も減築

体型が変われば着る服も変えないと着心地が悪いのと同じく、家族の数が減れば家も減築してこそ快適に暮らせるというもの。子どもたちが独立後、「子ども部屋だった2階は物置状態で、使うのは1階だけ。掃除も大変」と感じている夫婦も多いとか。夫婦2人ならLDKと寝室を含めて2〜3室の規模でたいていは事足りるため、減築することで本当に暮らしやすい家を手に入れたい。場合によっては固定資産税が減額する可能性も。


マンションの二世帯リフォーム

120~140㎡あれば親世帯、子世帯の部屋が十分にとれます

戸建て以外にマンションの二世帯住宅も可能。広さが120〜140㎡あれば、親世帯と子世帯の部屋が十分に確保できる。キッチンなど水まわりの設備はそれぞれ基本的に1つとし、親世帯寝室(分ける場合は2室)、子世帯寝室、子ども部屋(成長後を考えて人数分)、広いLDKがあればおおむねOK。できれば5LDK確保できるプランがベスト。

同じマンションの別の部屋を買う!

マンションで親世帯と暮らすことを考える場合、一番簡単なのは同じマンションの別の部屋を買うこと。これだと二世帯で暮らすというよりも近所に住むという感覚に近い。もし、隣りあった部屋を買っても分譲マンションで別世帯を仕切る壁を抜くことはできず、気軽に親子世帯を行き来することができないので注意を。




住まいをリフォームする場合には、それなりに大きなお金がかかるもの。二世帯リフォームともなれば、親世帯と子世帯の間でどんな配分で費用負担をするか、あらかじめきちんと決めておくことが大切。そんな時の注意点をチェックしておこう。


登記について 「どう登記するかで税金やプランにも影響」

土地を買ったり家を建てた時、その所在地や面積、持ち主の氏名や住所などの情報を世間に公開する「登記」。2つの家族が同居する二世帯住宅リフォームの場合、親と子のどちらが行うべきかは、ローンや税金だけでなく、リフォームプラン内容にも関わってくるため、前もって考えておくことが必要だ。登記の方法には「単独登記」、「共有登記」、「区分登記」の3種類があり、それぞれに注意点も異なってくる。


単独登記

二世帯住宅を1戸の住宅として、親または子のどちらかの単独所有として登記すること。いずれかの持ち物とされるため、税額は全体の面積から法律を適用して判断される。例えば父親が全額資金を負担する場合がこれにあたり、先祖代々の土地は親、建物は子の単独所有とすることが多い。子世帯の単独登記の場合、贈与税が発生するケースがあるので要注意。


共有登記

二世帯住宅を1戸の住宅として、親と子の共有の持ち物とする登記。夫婦や親子が資金を負担しあうなどの場合で、それぞれの出資比率に応じて持ち分を登記すれば贈与税は発生せず、住宅ローン控除は親と子の両方で適用される。この場合も、「1戸の住宅」での登記となるため、税額は全体の面積から法律を適用して判断される。


区分登記

二世帯住宅を2戸の住宅に分けて登記する方法だが「完全分離型」である場合に限られる。2戸建てで明らかに完全分離なら問題ないが、内部で行き来できるなどプラン上で何らかの関係をもたせたい場合、建物の仕様やプランの制約が出てくる。土地は区分して所有権を設定、建物は各面積に応じて区分され、税金適用面積は小さくなるため税制面のメリットは大きい。



二世帯住宅のタイプと登記の関係

完全分離型

●玄関からきっちり別々に分け、明確に各世帯が分離しているため区分登記できる
●外階段で1・2階を分離するタイプで、区分登記ができる
●似たような2棟の建物を連ねて建てるタイプで区分登記可。区分された片方を共有登記も可


一部共有型

●玄関を共有し、屋内の階段で1階と2階に分かれて住むタイプは区分登記不可
●外階段を設けて玄関を別にするタイプは区分登記可。区分された片方を共有登記も可
●玄関を2つ設け、内階段で住み分けるタイプは区分登記可。区分された片方を共有登記も可


完全共有型

●建物として完全に1つの家、1つの玄関であるため、区分登記できる
●一戸建ての場合、支払い分担によって単独登記または共有登記となる



「区分登記」の可・不可は「二世帯住宅」が2戸とみなされるか、1戸とみなされるか、ということ

区分登記ができるかどうかは、融資はもちろん、登録免許税や不動産取得税、固定資産税などの軽減措置が受けられるかどうかにも関わる重要な問題。二世帯住宅が2戸とみなされれば区分登記でき、1戸なら区分登記できない。2戸とみなされるには、構造上、壁や天井、床などで遮断され、互いの世帯が行き来できる場所を設けた場合には防火扉にするなどの措置が必要で、機能上においては他人の所有部分を通過せずに外部への出入りができ、玄関がそれぞれ分かれているなどの要件を満たす必要がある。専門家に相談するのがベスト。

二世帯リフォーム ローンの話 「親子で返済? それとも引き継ぐ?」

二世帯住宅の建築費用の支払い分担は、(1)親世帯が全額出資 (2)子世帯が全額出資 (3)共同で出資 の3つのパターンが考えられます。どのパターンでも間取りは自由に選べますが、区分登記希望なら完全分離型のプランにしなければなりません。住宅ローンは、親世帯と子世帯それぞれ2世帯分で借りることができ、住宅ローン減税もそれぞれ適用されます。融資も、各世帯で別々に返済する2口の場合は区分登記を前提に計画する必要があります。


親子ペアローン

親と子が同時に別口で借り入れるローンのこと。できるだけ借り入れ額を増やしたいならこちらがおすすめ。二世帯住宅が完全分離型で区分登記している場合、住宅ローン控除や不動産取得税、固定資産税といった税金に対して軽減措置が取られ、これを親子それぞれで受けることができる。

親子リレーローン

当初は親がローンを返済し、親の死亡後は子が返済を引き継ぐ形。親の完済する年齢の制限がなく、引き継いだ子も80歳までに完済すればOK。住宅支援機構には返済期間が長い「超長期親子リレーローン」も。

二世帯リフォーム 税の軽減措置 「知らないと損する軽減措置」

二世帯住宅のリフォームをした場合、単独登記か区分登記かで変わる税金負担。税金の軽減措置の条件には床面積が関係するため、大規模な1つの家より小規模な2つの家の方が有利だからだ。区分登記の場合に不動産取得税や固定資産税などの税金面でメリットが出ることは前述したが、ここでその内容をさらに詳しくみてみよう。


不動産取得税の軽減措置

二世帯住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下の場合、住宅の価格から1200万円が控除される。控除後の住宅価格に税率3%をかけたものが税額になる。
税額=【住宅価格−1200万円】×3%


固定資産税の軽減措置

1戸の住宅について土地が200㎡までの部分は課税標準額の1/6に軽減され、200㎡を超えると1/3に。その他、都市計画税に対する軽減措置もあるが、固定資産税と都市計画税はともに継続してかかる税金であることを当初から認識しておきたい。


贈与税の注意点

二世帯リフォームで建物の名義変更をすると贈与の対象になることも。例えば、親世帯と子世帯で各1000万円ずつ負担する場合、建物の価値と同じ割合で登記すれば問題ないが、それ以上の割合を子世帯の持ち分とすると贈与とみなされる場合があるので注意しよう。



頭を悩ませないために 相続について 「トラブルを防ぐにはどうする?」

二世帯住宅を計画するにあたり、名義や相続についてよく検討しておかないと、あとあと問題になりかねないため、明確にしておこう。


1.兄弟間での土地の共有名義は避ける

相続で揉めた場合、土地を分割して売却、どちらかが所有権を買い取るなどができなければ、土地全部を売却しなければならなくなる。


2.生命保険を利用して資金をつくる

生命保険には法定相続人1人あたり500万円の非課税枠、死亡保険金は現金支払い、遺産分割の調整に使えるなどのメリットがある。


3.生前贈与をする

贈与税がかからない上限金額の110万円を毎年贈与、2500万円まで無税で贈与できる相続時精算課税制度を利用するなどの方法がある。


4.遺言書を書く

親の介護をした、生前贈与を受けたなどの主張をしても兄弟に通らない場合も。そんな時に有効なのが、親の思いを綴った遺言書だ。