金融と不動産のプロに聞く

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リノベーションを行う前に、まずぶつかるのがお金と不動産の関係。
どんなに素敵なリノベーションプランも、この2つがなければ実現できないからだ。
そこで、資金計画や住宅ローンなどの金融面と、物件の売買を仲介する不動産事情の両方に詳しいいわば"住宅購入支援のプロ"である田中法人さんに、賢い住宅購入のヒントを聞いてみた。
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マイホーム購入は、人生最大の買い物です。そのため、購入にあたっ im1.jpgては人生設計をきちんと立てることが必要となります。
多くの場合は住宅ローンを組むことになりますが、最後まで返済できるのか、毎月どの程度まで返済に充てることができるのかといった不安を抱える方が多いようです。
将来の見通しが立てにくく、経済状況も一向に改善が見込みない今、そんな不安を感じるのは当然のことだと思います。

では、毎月の返済額に無理がないようであれば、安心して住宅を購入して良いのかといえば、必ずしもそうとはいえません。それは、現時点での状況を基準に考えているからです。
30代で乳児を抱える夫婦の場合、住宅ローンを払い続けながら約15年後に必要となる教育資金をどう調達するかを考えなければなりません。
40代で住宅ローンを組んだ場合は、定年退職後にどうやって返済を続けていくかを考える必要があります。本当に考えるべきは、現在の状況でローンを返せるかではなく、将来に渡って返せるかどうかです。

にもかかわらず、車を買うくらいの感覚で、中にはちょっと高い洋服を買うくらいの気軽さで住宅ローンを組んでしまう人もいます。いわば「家の衝動買い」です。
自分たちにとってベストな住まい方を考えず、住宅購入そのものが最大の目的になってしまう人が実に多いのです。その結果、返済が滞ってしまうことも珍しくありません。
そのようなことにならないよう、住宅の購入を考える前に、人生設計を立てることが大切なのです。その後で、自分たちがどう暮らしたいのか、望むライフスタイルをかなえられる住宅を検討していくというのが正しい住宅購入の手順だと思います。

ファイナンシャルプランナーは、不動産会社やハウスメーカーといった住宅を販売する立場や、融資をしたい銀行の立場とは違い、中立的な立場から冷静な目で見ながら人生設計をサポートするのが役割です。
物件を買って欲しい業者側は「このくらいの返済額なら大丈夫ですよ」などと言うかもしれませんが、そこには将来の教育資金や退職後の返済への配慮はありません。
本当に信頼できる業者であれば「大丈夫」という言葉の根拠を示してくれるはずです。

総支給額に占める住宅ローンの返済率を「返済比率」といいますが、一般的には返済比率として25%未満が理想といわれています。
しかし、年収が1000万円の人と300万円の人とでは、負担の重みはまったく違います。場合によっては、返済比率が40%になっても im2.jpg「家のためなら」と生活費を節約して返済分を捻出する人もいます。それぞれの家庭の事情や思い、ライフスタイルに応じた人生設計や資金計画を立てるのがファイナンシャルプランナーなのです。

購入後は、住宅ローンの返済に加えて、毎年の固定資産税や必要に応じての修繕費なども支払わなければなりません。それらも含めたプランニングをあらかじめ立ててもらい、どのくらいの予算までなら無理なく返済できるということを判断してから、住宅購入を本格的に検討しても遅くはないと思います。


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駅近の希少物件が選択できる、新築に比べ割安感があること im3.jpgなどから中古住宅の流通は、既に東京や大阪などの大都市圏において大変な人気です。
またリノベーションすることで自分らしい家を手にする事ができる点も大きな魅力でしょう。しかし、広島においてはまだまだ中古流通、リノベーションによる価値の創造が少ないことや中古住宅に対する不安を感じる人が多いと思います。

大都市圏を除けば、住宅においては全国的に新築志向が高い傾向にあります。これは、中古住宅への負担の裏返しである「新築なら安心」という意識と、リフォーム業者に対する不信感が大きな理由でしょう。一時はずさんなリフォーム工事やリフォーム詐欺などが大きく報道されたこともあり、リフォーム業者に厳しい目が向けられることになりました。
一定の規模以下のリフォームであれば、業者に免許や資格が不要ということも、業者への根強い不信感につながっているかもしれません。

よって、中古物件を購入してリノベーションを行う場合は、まずは信頼できる業者を選び、購入したい物件の建物調査をした上で購入を決めることが必要不可欠となります。物件を斡旋する不動産会社は、あくまでも不動産の流通におけるプロであって、建物のプロではありません。希望するエリアに相場よりも安い物件が見つかった場合、すぐに飛びつくのは危険です。
例えば構造的な欠陥や劣化などがあった場合、購入してから予定もしていないお金が必要となったりもします。そんな失敗をしないためには建物のプロの目で見極めてもらうことが絶対に必要なのです。

一般的な調査費用は、目視での調査が5万円程度、赤外線での熱感知を含めた調査になると15万円程度が相場のようです。これらの調査は、中古物件の流通において確かな実績をもつリフォーム会社でも依頼することができます。
一生に一度の大きな買い物ですから、大切なお金を担保できる業者を選びましょう。「既存住宅流通活性化事業」というものがあり、採択を受けた事業者に対し、中古物件売買に関わるリフォームに最大100万円の補助がおります。こうした認可を受けているかどうか、施工実績やリフォームを依頼したお客様の声なども業者選びの判断材料になりそうです。

リーマン・ショック後の広島におけるマンション事情を見てみると、新築については旧市内での供給がメインです。マンション需要が減少し、魅力的な立地条件でなければ新しいマンションの建設はなかなか行われないようです。

一方、中古マンションは、旧市内エリアの人気は常に高いものの、なかなか物件が出てこず、一般の消費者には情報がほとんど届かないのです。情報を積極的に得たいと思えば、不動産会社の営業マンと懇意になり、常に情報のアンテナを張っておくことが求められます。

しかし、新築でも中古でも、一戸建てでもマンションでも、住宅を購入する前にまず考えていただきたいのは、「自分は何のために家を買うのか」ということです。
住宅購入の目的は、人それぞれに違います。「将来は売却を考えているため、少しでも売りやすいエリアで購入したい」、「子どもの教育環境の良い場所で暮らしたい」、「終の住み処を im4.jpg手に入れたい」など、住宅における自分なりの目的を明確にし、それをかなえるために最適な物件を見つけて欲しいのです。
「新築マンションを買うべきか、中古の一戸建てを買うべきか」という質問に対して、一概に答えることができないのはそのためです。

これを踏まえて検討した結果、「やはり中古物件を買おう」と決めたなら、管理が行き届いていて信頼のおける業者を選ぶことから始めることをおすすめします。

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不動産・住宅に特化したファイナンシャルプランナー
株式会社サンクティ
  代表取締役  田中 法人
[保有資格]
宅地建物取引主任者 不動産コンサルティング技能登録者
2級建築士 ファイナンシャルプランナーAFP


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