No.095 広島市東区 H様邸 戸建住宅全面リフォーム事例

<No.k40>耐震・断熱設計で耐久性を高め、家族参加の自然素材仕上げで築47年の家を居心地良いものに

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大胆な間取り変更でゆったりとしたLDKが実現。スペイン漆喰の白い壁と、特注色で塗装されたパインの無垢材が美しいコントラストを描く。壁に取り付けたガラスブロックは、明かり取りであると同時に空間のアクセントにもなっている
築47年の家で暮らしていたHさん。リフォームを思い立ったのは、「明るく広いLDKに」、「2人の子どもに部屋を」、「収納スペースを増やしたい」、「屋外にあった洗濯機を室内に」などの要望以前に、古かった家の耐久性を高めたかったことが大きな理由だった。
構造的には、細かく仕切られていた1階の居室を広いLDKと和室のみにし、子どもたちが2階へ行くのに必ずリビングを通るようリビング階段を設け、寝室と子ども部屋2室は勾配天井にして立派な梁を見せることに。特に1階は壁を少なくしたため、筋交いや火打ち梁を多く入れ、耐震壁を採用。2階も火打ち梁を新しく入れて耐震性をアップ。冬暖かく、夏涼しい家にするため、床下は発泡スチロール製のサニーライト、壁はロックウール、天井にはグラスウールを入れ、窓はペアガラスにして断熱性も向上させた。

リフォーム前

キッチン 一階
子供部屋

見取り図
筋交いの取り付けには耐久力の高い筋交い金物を使用。地震や台風時の水平に加わる力に耐えるための火打ち梁は、子ども部屋に新しく付け替えた。金物の火打ち梁を使っている部分は、露出させると見た目の違和感があるため、壁で隠す工夫もしている。

「以前よりも友達を呼びたくなる家になりました。子どもたちもよく料理の手伝いをしてくれます」

大胆な間取り変更と、2階部分の増築で、広いLDKや奥さまのための和室、2人分の子ども部屋、ご主人の書斎などを実現。寒かった浴室も一新して暖かく入浴できるようになり、冬は水道管が凍結して使えないこともあった屋外の洗濯機も洗面所に無事配置。生活上の利便性が高まったうえに、断熱対策も全面に施して、快適性が格段に上がった。少しでもコストダウンになればと、ガスコンロやトイレ、照明、給湯器などは奥さまがネットで見つけて購入したという。
さらに、Hさん一家は自然素材もふんだんに使用。1階と2階の床にはパインの無垢材を採用。LDKと寝室、子ども部屋、書斎の壁は、断熱効果や防火性も高いスペイン漆喰、和室は化学物質ゼロのピンクがかった珪藻土で、2階から1階に向かって家族全員で塗っていったというが、驚くほどきれいな職人並みの仕上がりになっている。「以前よりも友達を呼びたくなる家になりました。子どもたちもよく料理の手伝いをしてくれます」と、リフォームを主導した奥さまは特にうれしそうな様子だった。

リフォーム完成

漆喰壁と特注色のパイン無垢材床が織りなす空間へ誘う玄関。LDKにつながるドアにもチェッカーガラスが アンティーク風のドアやランプにマッチした、味わい深いレンガ風のタイルを玄関ポーチにセッティング。飛び石や芝生と相まって雰囲気の良いエントランスになっている
使いやすいアイランドキッチン。向こう側の2本の通し柱は構造上抜けないものだったが、塗装の色を床と同じにして違和感なく感じられるようにした 調味料入れがぴったり収まるサイズのニッチ。リビング側からは死角になり、調理中にすぐ取り出せるのが便利
47年の年月を経た見事な梁を生かしながら、寝室、子ども部屋ともに勾配天井で開放感を演出。奧はご主人の書斎 子ども部屋は、見た目に火打ち梁が邪魔になるが、耐震構造上なくすことができないため、いかにすっきり見えるように仕上げるかを、大工やコーディネーターを含めて現場で何度も打ち合わせを重ねた。
着付けができる奥さまの和室も、和紙畳や珪藻土壁など自然素材で構成。レトロな照明は母屋にあったもの 奧に貼るクロスは、あえて色や柄を変えてコーディネートし、オシャレなトイレに
洗面所には、必要な時に壁と壁の間にワイヤーを渡して室内干しができる工夫も凝らされている

リフォーム概要

概要画像
家族構成 夫婦+子ども2人
種別 一戸建て
築年数 47年
工期 2.5ヵ月
施工面積 111.27㎡(33.6坪)
リフォーム箇所 1・2階全面
施工 マエダハウジング府中店

リフォームを終えて

使い勝手が悪く、断熱も十分でなかった古い家を思い切ってリフォームし、暮らし心地がとても良くなりました。プランニング中に震災が起こり、耐震性の不安が高まったこともあって、耐震設計にも十分配慮してもらいました。コーディネーターの平岡さんには、私のイメージをすぐに分かってもらえ、思い描いた通りのリフォームになって良かったです。子どもたちも、自分の部屋ができたことに喜んでいるようです。作る料理は以前と同じでも、子どもたちが「ご飯がおいしくなった」と言ってくれたのがとても嬉しかったですね。