No.146 佐伯区八幡東 S様邸 戸建住宅全面リフォーム事例

2階建てから1階建てに"減築"して家族が使い勝手の良い快適な家へ

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家族の要望をしっかりと踏まえた家に生まれ変わった

住宅街の中にある築45年のSさん邸。もともとは先代が建てたベンガラ塗りの2階建て住宅だったが、雨漏りがひどく、春になると白アリが飛び交うほど被害も深刻で、これらの問題を解決したいと思いつつも手をこまねいていたという。さらに、増築を重ねた結果、広さは十分だったものの、家の奧まで明るさが届かず、昼間でさえ室内が暗いことも難点だった。
そんなとき、リフォームイベントでマエダハウジングとめぐり合ったSさんは、家の悩みを解決するためにリフォームと建て替えではどちらが良いのかをスタッフに相談。すると、現状の固定資産税なども勘案したところ、Sさんの場合は建て替えよりもリフォームをした方が経済的であることが分かり、全面リフォーム、いわばリノベーションをすることを決意した。
Sさんはご夫妻と娘さんの3人暮らし。2階建てだったが、1階だけでも十分な広さがあったため、思い切って減築し、昔ながらの間仕切りの多い間取りを大胆変更して、使い勝手が良く、明るい開放的な平屋建ての家として設計することに。プランニングには半年を要したが、家族の要望をしっかりと踏まえた家に生まれ変わった。

リフォーム前


リフォーム中

いよいよ解体が始まりです。壁は昔ながらの土壁づくり、砂埃が立ちこめてます 解体終了。スケルトンとなり、基礎と土台、柱、屋根のみとなりました。
新しい間取りに応じて基礎を新しく新設していきます。土間は防湿コンクリートを打って湿気対策も万全 解体終了。スケルトンとなり、基礎と土台、柱、屋根のみとなりました。

家全体が明るくなり、太陽が何よりのごちそうです

リフォームのプランニングにあたっては、主に奥さまが主体となって取り組んだ。奥さまが挙げた要望は、まず「昼間は照明を点けずに済む家にしたい」ということ。日中も暗い家だったため、これが一番重要な課題だったようで、南側に廊下を通し、大きな窓を開口したことで、工事後は十分な明るさに。希望通り、朝から夕方まで照明を点ける必要がなくなった。
また、1階だけでも7部屋と倉庫、納戸という間取りで、すべてを活用しきれていなかったことから、「昔ながらの間仕切りの多い間取りをシンプルに」ということも大きな要望だった。そこで、本当に必要な部屋を吟味して一から間取り設計を行った結果、アイランド型の対面キッチンを据えた広々LDKを中心に、8畳の和室、寝室、娘さんの部屋、息子さんが帰省した時のための部屋、そして、奥さまの趣味である洋裁を存分に楽しめるアトリエまで確保した。
生活の中心となるLDKの正面には、「庭を眺めながら暮らしたい」という願いを叶えて庭園を整備。かつては多かった段差も解消してバリアフリーとし、ドアはすべて吊り戸タイプの引き戸に統一した。「家全体が明るくなり、太陽が何よりのごちそうです」と奥さまは喜びを隠せない様子。

見取り図
玄関の位置を一番日当たりの良い南向きから東向きに変更。2階建てから1階建てに減築し、1階の西側をやや増築して、部屋として無駄なく活用できるようにした。和室3室をはじめ洋室や倉庫、納戸など細かく分かれていた間取りを大幅に変更し、広いLDKを中心に和室、寝室、娘さんの部屋など必要な部屋をそれぞれ確保。浴室やトイレなど水まわりは固めて配置した。

リフォーム後

右手に既存の棚を活用したシューズクロークを備えた玄関。上がり口が広々としていて開放感たっぷり。窓からの明るさも十分で、美しい木目に鮮やかなグリーンの椅子が映える 位置が南向きから東向きに変わった玄関ポーチ。以前にはなかった深い軒先のおかげで、雨の日でも玄関内に雨が吹き込む心配もない
右手の引き戸を開ければ和室と一体化して使えるLDK。蓄熱暖房機を備えたことで、冬は震えるような寒さに見舞われず、結露もしない 蓄熱暖房機とテレビの上の棚は大工による造作。リビングのアクセントになるとともに、デットスペースを上手に活用した収納スペースになっている
シャープな印象のTOYOキッチン。水はねが少ないようにと大きめのシンクを備えたタイプを選択。まな板や水切り板が使いやすいのもポイント 窓のサッシの内側を木と同系色にし、トイレも蓋まで木目調で統一。ペーパーもストックを多く置ける
浴室は設備をすべて一新し、白が基調の明るいバスルームに。冬も暖かく安全に入浴できるようになった 洗面台も水はねが少ないよう、シンクの深いYAMAHAの商品をセレクト。ニット洗いにも便利なのだとか
優しい木の色調の中に赤や緑が美しい差し色として映える娘さんの部屋。ベッドの下は隠れ家のような空間で、落ち着きを感じられるという 光を通すアクリル引き戸で、玄関やLDKと仕切られた8畳の和室。床の間や仏間を完備し、収納スペースも随所に確保されている
押し入れの前には畳3枚分の畳下収納が。蓋は防虫効果をもつ桐で製作 押し入れの棚は取り外し自由。1枚の棚の幅が小さいので簡単に外せる
LDKの裏側にある廊下の側面を活用した、便利な収納スペース アトリエに設けられた、奥さま念願の毛糸専用の棚は大工さんの造作によるもの。棚から取り出してすぐに製作に使えるのが便利
洋服からバッグまで、あらゆるものを手作りするのが好きという奥さま。アイロンがけもしやすいように大きな台を設置した
奥さまと娘さんに共通するのが、手作りが大好きなこと。奥さまは洋裁を思う存分楽しめるアトリエを設け、壁一面を毛糸専用の棚に活用。「楽しいのよ。ここに座っているだけで」と笑顔の奥さま。一方、娘さんの部屋もユニーク。ロフトの下を収納スペースにし、端材や段ボールなどを再利用して書類などの収納ボックスや引き出しを娘さん自ら手作りしたそうだ。作業台の上下を収納空間として最大限に活用できているのも見事。この度のリフォームを機会に太陽光発電も導入し、ある月は売電価格が2万円にもなり、しかも電気料金は5000円以内に抑えられたといううれしいことも。しかし、生まれ変わった家で趣味を存分に楽しめるようになったことが、何よりの喜びといえそうだ。

リフォーム概要

リフォーム費用 2300万円
種類 一戸建て
築年数 60年
施工面積 141.45㎡(42.78坪)
施工箇所 全面
工事期間 4ヵ月
家族構成 夫婦+娘1人
施工 マエダハウジング五日市店

リフォームを終えて

家からお店が近かったこともあり、コミュニケーションを密に取りながら打ち合わせを進めることができました。プランニングに半年かかってしまいましたが、担当の方はじっくり根気よく待ってくださり、要望をしっかり聞いていただけたのがありがたかったです。おかげで、思い通りのリフォームができ、なんといっても掃除のしやすい家になったことがとてもうれしいです。
今回は主に私の要望を中心に実現していただきましたが、次回は主人の作業場兼遊び場である倉庫のリフォームをお願いしたいと思っています。