No.160 広島市中区 K様邸 戸建住宅全面リフォーム事例

リフォームのおかげで仕事も家事も積極的に

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父親が営む宝飾店を引き継いだKさん。その店舗兼自宅であるビルの2階から4階を中心に大がかりなリフォームを実行しましたが、Kさんがこのリフォームを通じて得たものは単に新しい空間だけではなかったようです。

宝石の販売・デザインから時計修理まで幅広く担当

金座街に面したビルの2階にある「オーダージュエリーナガイ」。創業は1885年と古く、3代目である父親の後を継いだのが、Kさんです。昔から宝石や時計などが好きだったというKさんは、17歳くらいから父親の仕事を手伝い始めました。今では販売にとどまらず、親から受け継いだ形見の宝石を自分のものとして身に着けられるようにデザイン加工して、宝石に新たな命を吹き込む仕事もしています。さらに、オリジナルジュエリーも扱っていて、デザインはKさんが担当し、加工や製作は東京の知人が手がけているそうです。「宝石のリフォームを依頼されたお客さまが、新しいデザインで生まれ変わったジュエリーを見て喜んでくださる様子を見れたときが一番うれしいですね」とKさん。お客さまは、地元の長年の常連さんはもちろん、東京からのリピーターも多いそうです。

老舗宝飾店を担う女性オーナーの挑戦

創業当時は本通に店舗を構え、この場所には10年前に開店。当初はメガネのみの扱いでしたが、本通で取り扱っていた宝飾品もここで扱うことにしたのを契機に、思い切って店舗の雰囲気もガラリと変えようと、Kさんはリフォームを決意しました。同時に、Kさんのご主人が、「以前から一人暮らしをさせるのが不安だった」と、同じビルの3・4階に住んでいたKさんのお母さまに同居を持ちかけ、家族4人で快適に暮らせるよう、店舗とともにリフォームすることにしたそうです。リフォーム前は雨漏りがひどく、空間をうまく活用できていなかったこともあって、1階から4階まで修繕を含めた大がかりなリフォームとなりました。1階の内装は新しく入るテナント店舗が行い、残る2階から4階をKさんがリフォームすることに。業者は、お母さまとの同居が決まった後でリフォームイベントに参加し、プランニングのセンスが気に入ったというマエダハウジングに決定。イベント参加から約4ヵ月後にはプランニングを固め、約3ヵ月間の工事を経て2012年3月、装いも新たに店舗をオープンさせました。

リフォーム前

店舗外観 階段
リビング トイレ

家族全員で食卓を囲める幸せが現実のものに

リフォームしたのは、1階の階段入口から2階店舗と3・4階の住居部分、屋上。階段入口からのアプローチに導かれて到達する2階店舗は、ブラウンを基調とした落ち着きと温もりを感じさせる雰囲気に。「新たに購入したのは、椅子と鏡くらいかな」とKさん。愛着のあるカウンターテーブルや什器なども最大限活用してもらえるよう依頼したといいます。店舗入口の横には、ガラスブロックを隔てて住居部分につながる玄関が。以前は靴を履くスペースがなく、店舗から出入りするしかなかったとか。温もりある無垢板の階段が、くつろぎの我が家へのアプローチになっています。3階は家族4人全員で食事ができるLDKを中心に、浴室やトイレなどの水まわりを配置。4階にはKさん夫妻と娘さん、そしてお母さまそれぞれの寝室が一つずつ。さらに、Kさんたっての希望で、6畳半もの広さのウォークインクローゼットを確保。「靴をたくさん持っていたのに収納スペースが足りず、無理を言ってつくっていただきました」。Kさんのご主人は二級建築士の資格取得者。「主人も建築に関わる仕事をしているので、いろいろ細かいチェックを入れていました。スタッフの皆さんは大変だったと思いますが、イヤな顔ひとつせず対応していただきました」と、Kさんは感謝しきりのようです。


リフォーム中

仮設足場の設置完了、これからいよいよ工事の始まりです 内部はすべて解体撤去、外壁パネル、天井鉄骨が剥き出しに。解体後の打合せ中です
空調整備の配管、配線工事を進めていきます隙間を縫ってダクト配管を行います 間仕切りとなる壁、天井の下地組みです。軽鉄で組み間取りを作っていきます
2階住居謙店舗へ繋がる鉄骨階段新設です。これから下地モルタルを施工しタイル貼り仕上げにしていきます 壁、天井の下地も貼り終えこれからクロスで仕上げていきます。収納棚も設置し塗装完了です

自分の好きなものに共感してもらえるお店を

思い描いた通りのリフォームが実現し、「以前の状態が想像つかないほど劇変しました。特に、手が付けられなかったキッチンの変わりぶりを見て、あまりに感激して涙が出たくらいです」というKさんの言葉からは、その喜びようがひしひしと伝わってくるようです。リフォームする前は、幅広い年齢層に対応できる品揃えをしていたそうですが、今はKさん自身が惚れ込んだ商品を中心に扱うようになったとか。「自分の好きなものをお客さまがご覧になって、『これ、いいね』と共感していただけたときが本当にうれしいですね」とKさん。ジュエリーに限らず、今後は大好きなストールやバッグなど、お気に入りのもののラインナップも充実させていきたいと意気込んでいます。リフォーム後のKさんは、自らが精神的な面でも変わったという自覚があるとのこと。「小さい頃、知り合いの住職さんに『衣食住をきちんとしていなければ、何をやってもうまくいかない』と、衣食住の大切さを説かれたことがありますが、まさにその通り。キレイに使わないとバチが当たります」と、階段やトイレを毎日素手で拭き掃除しているそうです。仕事はもちろんのこと、家事や週4日のウォーキングなど、朝から晩までとにかくアグレッシブに活動するKさん。今回のリフォームを契機に、仕事に家事にますます精力的に取り組むようになったというKさんの今後がとても楽しみです。

リフォーム後

1階テナント店舗の隣の階段から2階店舗へ。アーチ型の入り口に配した石は、取り寄せた数々のサンプルの中から厳選したもの。ヨーロピアン風の階段のレンガもこだわり抜いて選んだという 照明も個性的なフォルムのものを随所に配置。ヨーロッパの街角のような佇まいが、オシャレ心を刺激してくれそう
2階の店内。数十年に渡って使い込んだカウンターテーブルは表面のみ貼り替え、「什器もすべて活かしたい」と再利用。壁のモザイクタイルと天井、床、什器の色合いに統一感があり、ほどよい重厚感が感じられる
2階の自宅入口は、店舗入口とガラスブロックを隔てて配置。曲線状の段差を設け、空間に変化をプラス 洗面脱衣室の洗面台には店舗同様にモザイクタイルを貼り、タオルなどの収納棚も設置
玄関のたたきのようにも見える店舗用のクッションフロアを敷き、少し和の雰囲気を感じさせる自宅トイレ 3階のLDK。テレビ台の背面の壁には、モザイクタイルのような風合いをもった壁クロスを貼っている

見取り図
オーダージュエリー ナガイ
広島市中区堀川町7-14ナガイビル2F
tel.082-247-4545
営業時間:10:00〜18:00  休業日:水曜