No.159 広島市 Y様邸 実家&二世帯リフォーム事例

[完全分離型]二世帯リフォームの現場に密着

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自宅の一部が都市計画に含まれることになり、リフォームを余儀なくされたYさん。
これを機会に、息子さん夫婦との同居ができるよう二世帯住宅にリフォームすることを決意した。
水まわりまですべてを分けた「完全分離型」の二世帯リフォームの全貌を見てみよう。

住み慣れた離れがなくなるため母屋を二世帯住宅に全面リフォーム

 道路を隔てた母屋と離れにそれぞれ住んでいたYさん一家。そこに都市計画の一つとして道路拡張工事の話が持ち上がった。ご主人と奥さまが暮らしていた離れから立ち退きを迫られることになり、母屋の息子さん夫婦と同居することに。
これを機に建て替えも検討したが、予算や税金面を考えて全面リフォームに踏み切った。リフォームを進めるにあたっては息子さん夫婦が主体となり、プランと施工はホームページや雑誌で目にしたマエダハウジングに依頼した。


リフォーム前

リビング 和室
キッチン リビング
洗面 廊下
廊下 トイレ

「親しき仲にも礼儀あり」で プライバシー重視の完全分離型二世帯住宅に

 二世帯住宅には水まわりだけは共有するという形もあるが、Yさん一家の場合はこれまでそれぞれ別棟に暮らしてきてライフスタイルも異なることから、キッチンや浴室などを含めて完全分離型の二世帯住宅とすることに。
母屋の中央から東側を親世帯、2階増築部分のある西側を子世帯の住居スペースに分け、親子といえどもプライバシーはしっかり重視した二世帯住宅の形だ。
要望としては、川が近いため湿気が多いことへの対策と断熱性の向上、家事動線をスムーズに...といったことを柱に、快適に暮らすための要望を細かく提示していった。
見取り図
息子さん夫婦が暮らしていた母屋は昔ながらの間取りで、間仕切りが多く広縁に縁取られていた。日当たりの悪い北側に家族の集まるダイニングキッチンがあり、昼間でも照明が必要なほど暗かった。湿気の多さ、暗さ、寒さなど数々の悩みを抱える母屋は、親世帯が住むには過酷な状況。

親世帯と子世帯それぞれが快適で安全に暮らせる家を

 悩みの多かった母屋を二世帯住宅にするため、息子さん夫婦はマエダハウジングのスタッフとともにプランニングに着手。息子さんと奥さまは、それぞれ同性のスタッフと話して要望を伝えた。
各世帯を分ける1階中央の壁は防音壁にし、高いレベルでプライバシーを確保。屋内は完全バリアフリーとし、家族の集まるLDKは両世帯とも日当たりの良い南側に配置し、キッチンは要望通り西側へ。
スムーズな家事動線、動きやすい生活動線が描けるよう、水まわりスペースは近くにかためた。親世帯はコンパクトに暮らせる東側の平屋。
廊下やトイレは将来車椅子を使うことになってもスムーズに移動できる幅にし、手すりも随所に取り付けることに。トイレは廊下からだけでなく寝室からも直接入れるよう配慮。外壁には遮熱塗料のガイナを塗り、窓はLow−Eガラスを採用した。
見取り図

断熱材を入れ構造躯体を補強。安心して暮らせる住まいに。

1.壁や床をすべて取り除き、構造躯体を露わにして工事開始 2.基礎が土の上に築かれていたため、多湿でシロアリ被害もあった
3.湿気対策を兼ね、防湿コンクリートを流し込んでベタ基礎に 4.根太の支えは、木製の土台に代わって鋼製束(こうせいづか)に
5.筋交いの接合部分は、強度を高めるために金物で補強 6.随所にしっかりと筋交いを入れることで建物の強度を高める
7.火打ちも木材でなく金物にして耐震性を向上させている 8.桁の下にさらに桁を入れる「桁補強」でさらに強度をアップ
9.床下にまでしっかり断熱材を入れ、底冷えもシャットアウト 10.グラスウールの断熱材を壁全体に敷き詰めて高断熱の家に

親世帯部分完成!「寒くない! 動きやすい! 便利!」 生まれ変わった我が家に大満足

 息子さん夫婦にリフォームを一任して生まれ変わった母屋。その東側の平屋部分が親世帯になり、コンパクトで動きやすい間取りは70代のご夫婦にとって実に暮らしやすい空間になった。
二人にとっては十分な広さのLDKが明るい南側に配置され、廊下を挟んだ北側に落ち着いて休める寝室が。スタッフの提案で、隣接するトイレは寝室側からも廊下側からも出入りできるようになったことも大きな喜びだとか。
廊下側は開き戸だが、寝室側は静かに開閉できる引き戸になっている。タイル貼りで段差の大きかった浴室もすっかり快適なシステムバスに一新し、快適に入浴できるように。湿気や寒さ、暗さの悩みをすべて解決できた愛着のある母屋で、息子さん夫婦と同じ屋根の下で暮らせる喜びはさぞ大きいことだろう。

親世帯部分 リフォーム後

ハンガーパイプを取り付けたウォークインクローゼット
Panasonic製システムキッチン。コンロはIHで安全性にも配慮 キッチンから直結する洗面脱衣室。収納スペースも併設
快適性が格段にアップした浴室。寒さを感じずに入浴できる 床は掃除しやすいクッションフロア、壁には柄入りのクロスをあしらったトイレ

子世帯部分完成!快適性の向上とスタイリッシュ感 両方が叶えられた理想の我が家

 西側の2階建てが完全な子世帯となり、家全体の断熱性や耐震性を向上させた上で、スムーズな家事動線や収納力アップ、欲しかったウッドデッキの新設などの要望を叶えた息子さん夫婦。
南側のLDKはゆったりした空間で、天井に濃い目の色合いに塗装した化粧梁をわたしてスタイリッシュに演出。リビングの床にはアンティーク調のナラ無垢材を貼り、キッチンの床はタイル貼りに。壁には調湿性や耐久性に優れるスイス漆喰を塗っている。ここには夜間電力で蓄えた熱を日中に少しずつ放出して部屋を暖めるユニデールの蓄熱暖房機を設置。階段は既存のまま生かし、2階は息子さんや娘さんたちの部屋になっている。
両親も自分たちも快適で安心して暮らせる家が、こうして完全二世帯住宅という形で見事に実現した。


子世帯部分 リフォーム後

壁面全面を活用したキッチン収納もYAMAHA製。容量も十分
システムキッチンはYAMAHA。シンクの色が鮮やかに映える 窓側に設けられた、奥さまが家事を行うためのワークスペース
廊下はカバザクラ。リビングのナラとはまた違った味わいがある 窓側に設けられた、奥さまが家事を行うためのワークスペース


リフォーム概要

概要画像
リフォーム費用 3500万円
種類 戸建て
築年数 母屋30年、2階増築部分20年
施工面積 220㎡(67坪)
施工箇所 全面
工事期間 6ヵ月
家族構成 夫婦+息子夫婦+孫1人
施工 マエダハウジング五日市店


リフォームを終えて

リフォームを始めるにあたり、息子夫婦である私たちが主体となって本当に多くの要望を出しましたが、すべて叶えてもらえました。以前から母屋で暮らしていた私たちはもちろん、両親は離れでの生活から快適性が格段に向上し、とても喜んでいるようです。特にお風呂が快適なのがうれしいようで、最初はお風呂の使い方に慣れずに手間取っていましたが、今では大丈夫。私たちも本当に暮らし心地が良く、すべて任せてくれた両親に感謝しています。