戸建住宅全面リフォーム

No.1178 コンクリート造の寒い実家を 断熱対策と間取り変更で快適に

2023.02.07
呉市 U様

建物の断熱性を高め、温度ムラが生じないよう大幅な間取り変更も行った結果、広くなったLDKの天井のファンとエアコンを併用することで冷暖房効率も高まり、快適性は格段に向上した。


従来のリビングは緩やかな弧を描いた形の勾配天井だったが、子ども室を取り込んだことで左右に広がりが生まれ、美しいアーチ状のドーム型天井が開放感を増幅。両側に間接照明を入れることでさらに曲線の美しさを際立たせている。


最上階のため、特に夏は強い日差しが照りつける屋上からの影響を受けやすいことを考慮した結果、間取り変更に伴ってコンクリート壁を剥き出しにし、天井面と壁面の内側に高性能の断熱材「カネライトフォーム30mm」をしっかりと施工。結露を抑制し、断熱性能の劣化を防ぐカネライトフォームは、ホルムアルデヒドなどを含まず環境にも優しい断熱材


 


住まいの中で、熱の出入りが一番大きいのが窓などの開口部。冬は約6割もの熱が開口部から流出するともいわれる。既存のアルミフレームのサッシ窓は外気の影響を受けやすく、冬はアルミサッシが冷えることで部屋全体の温度を下げてしまう。そのため、LDKをはじめ寝室や子ども室などの窓には全て内窓LIXIL「インプラス」を設置した。


冬は外からの冷気侵入を防ぐとともに、エアコンで暖められた室内の空気を逃げにくくし、夏はエアコンで冷やされた室内の冷気をキープ。


断熱効果に加えて結露軽減効果や遮音効果も高く、実際にU様も隣家の新築工事中の音が全く気にならなかったという


寒かった浴室はシステムバスを一新して暖かく入浴できるようになった。今まではシャワーが中心だったお父様も毎日湯船につかるようになり、朝風呂も満喫しているとのこと


独立型から対面型に変わり、家族とのコミュニケーションを図りやすくなったキッチン。耐久性が高く傷が付きにくい、黒のセラミックカウンターを備えたLIXIL「リシェル」のシステムキッチンは、週末に料理を担当するご主人が特にお気に入り。天井近くに設置したエアコンが目立たないよう、横向きに格子をあしらう工夫も凝らされている


暖かいリビングとの温度差によってヒートショックを起こしがちなトイレ。その対策として、断熱性を高めたいが開口部が小さいなどの理由で内窓を付けるのが難しい場合に有効なのが「外窓交換カバー工法」


既存のサッシに新しいサッシをかぶせるという窓のリフォーム方法で、これだと壁を壊して新しい窓を取り付ける大がかりな工事を必要としない。なお、マンションでは基本的にサッシの取り替えは不可だが、近年は管理組合に許可を得てカバー工法を行う事例も見られる


将来子ども室として使う予定の部屋は現在ベッドを置いて寝室扱いにし、ここにも内窓を設置したことで寒い冬でも快適に眠れる空間になっている。左側のクローゼットは天井高まで空間を生かした大容量の収納スペース


トイレ横にあった洗面台は撤去し、新しく大きめの手洗い台を設置した。帰宅してすぐに手洗いができるのが便利で、特に奥様は使いやすさを感じているという


以前は独立していたキッチンがあった位置に新しく設けたパントリー。天井近くまでスペースを有効活用できる可動棚を設置してカップボードを置き、かなり大きい収納力を持たせている

 

リフォームのポイント

 ご主人のご実家は築27年を経た3階建てのコンクリート造。お父様との同居を前にリフォームをすることにしたが、コンクリート造がゆえに兼ねてから冬の寒さが大きな悩みだったため、断熱対策にも重点を置いたリフォームプランが作成された。U様ご一家が住むのは最上階の3階のため、壁だけでなく天井への断熱材の施工はもちろん、内窓の設置や、既存の窓の断熱性を高める工法を用いるなど、あらゆる断熱対策を実施。建物の断熱性を高め、温度ムラが生じないよう大幅な間取り変更も行った結果、広くなったLDKの天井のファンとエアコンを併用することで冷暖房効率も高まり、快適性は格段に向上した。

  「いずれは実家で同居を」と考えていたU様ご一家。奥様の職場復帰を控え、娘さんが保育園に入園すればお父様からのサポートが必要になることから、このタイミングで実家のビルの3階をリフォームして同居を始めることに。ただ、コンクリート造のため冬は室内でも息が白く見えるほどの寒さが悩みだったことから、断熱材の施工と内窓の設置で断熱性を向上し、悩みを解消。床にはマンションに使われる防音フローリングのNODA「アートクチュール・ソン」を全面採用し、ヴィンテージ感とともに温もりのある床材で心地良さを高めた。間取りも大きく変更した中、一番の特徴はLDK。子ども室の半分を取り込み、完全独立型のキッチンを対面型にして特徴的なドーム型天井を生かしながら、広さを感じられる大空間に生まれ変わった。

 新しくなった実家に暮らし始めて、暖房なしでも冬暖かく過ごせることに大きな断熱効果を感じているというU様。2階部分に暮らすお父様は、同居による喜びとともに、新しくなった浴室でゆったりできる時間に幸せを感じている。

間取り

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リフォーム概要

リフォーム費用 約1,800万円
延床面積 180㎡(54.5坪)
施工面積 125㎡(37.8坪)
施工箇所 2階キッチン、トイレ、浴室、洗面室、3階全面
工事期間 3.5カ月
築年数 約27年
種類 ビル
家族構成 父+夫婦+子ども2人
施工 マエダハウジング八丁堀店

リフォーム前

リフォームを終えて

大きな悩みだった冬の寒さを断熱材の施工や内窓の設置で解決でき、暖かく暮らせるようになったことが本当にうれしいし、内窓の遮音性の高さにもビックリ! リビングの天井に付けたファンを回すことで冷暖房効果を高められるのも良いですね。