戸建住宅全面リフォーム

No.1180 効果的な増築と間取り変更で 両親と、安全で快適に暮らせる家に

2023.03.07
廿日市市 T様

中庭からの採光が十分なリビングダイニング。カーテンではなくロールスクリーンにしてすっきりとした印象に。将来、犬の飼育を想定し、既存の床にはフローリングを追い張りした


位置を変更した玄関は中庭のおかげで以前より明るい空間に。ご両親の安全性を考慮して手すりも設置


仏壇が2つあったため、1つはご両親の居室に置き、もう1つを置くために5.5帖の和室を増築した。T様はマエダハウジングのモデルハウス「宮園の家」を見て、「こんな和室がほしい」と思っていたという。中庭と反対側には小さな開口を設け、網代風のクロスを張った天井は低くして、おこもり感のある落ち着いた空間に仕上げた


玄関とリビングダイニングをつなぐホールには造作カウンターを設置。ご両親が玄関の手すりからカウンターに手をつきながら歩くことを想定し、カウンターの高さも手をつく位置を考慮して設定。帰宅してすぐ手洗いができるよう手洗い器を取り付け、下段にはスリッパ収納を確保。壁の立ち上がり部分にはタイルを張った


玄関ドアを開けると正面にウッドデッキの中庭があり、大きく開口した窓から視界が奥に開けて開放感が増す。道路からは壁を隔てているため視線が入らず、カーテンも不要


ご両親のために新設した手洗いスペース。車椅子でも使いやすいよう洗面台の下は空けている。壁を隔てた向こう側はウォークインクローゼットで、エアコンからの空気が廊下に流れて冬のヒートショックを防げるよう、天井と壁の間に隙間をつくった


廊下のエアコン効率を高めるため、2階に温かい空気が逃げないよう、階段のまわりにロールスクリーンを設置


ウォークインクローゼット入り口を折れ戸にし、開閉時に廊下を塞がないようにした


玄関先の軒裏と柱には木材を使って和の雰囲気を漂わせ、黒い外壁との対比にも美しさが感じられる


従来はオフホワイトに近い色だった外壁を、増築部分は黒いサイディングにして1階と2階のコントラストが美しい外観に。駐車スペースから玄関先へは緩やかなスロープを設け、玄関先の庇を長くして、雨の日でもご両親が濡れることなく安全に車から玄関へ移動できるようにした


 


 


 

 


 


増築部にあったゴールドクレストの木を撤去したが、チェアに加工してもらい、残すことができた

リフォームのポイント

 近い将来、自宅でご主人のご両親と同居することを考えていたところ、お母様が入院することになり、同居を見据えたリフォームをすることを決意したT様。築18年の自宅は大手ハウスメーカーで建てたため、まずはその業者に相談してはみたものの、担当者からは同社でのリフォームはコストが高くつくとの返事が返ってきたという。「しかも、工事で構造部分に手を加えれば耐震性に影響し、5年ごとの定期点検の保証もなくなるとのことでした」とT様。そこでリフォームの相談を持ちかけたのがマエダハウジングだった。

 同居するため、まずはご両親が過ごす部屋を確保することを考えたT様は、当初LDKの横に増築して部屋を設けることを想定していた。しかし、そうするとリビングダイニングが暗くなってしまうため、中庭を配置し、中庭を挟んで和室を新設することを設計担当者が提案。効果的な増築を行うことで、リビングダイニングと玄関、和室に十分な明るさを取り込みながら、開放感も得られる空間設計が行われた。

 リビング横のもともと和室だった場所に、ご両親の居室としてベッドが2つ置ける洋室を配置。トイレの横には、車イスでも使いやすい洗面台を新たに設置した。以前はトイレ横が玄関だったが、ここにウォークインクローゼットを設けて主にご両親が着替えに使えるようにすることで、浴室から居室まで最短の動線を描くことに成功。建具は開閉しやすいよう全て引き戸に変更した。また夜中にスムーズかつ安全にトイレに行けるよう、そして消し忘れを防ぐため、照明は人感センサーでスイッチのオンオフができるようにするなど、ご両親が少しでも快適で安全に暮らせるための配慮が随所に光る。そんな両親思いのリフォームを貫きつつ、T様ご夫婦の要望もしっかり実現。人目を気にせずバーベキューができる明るい中庭はご主人の要望で、苔を育てるのが趣味の奥様のために、専用のディスプレー棚をリビングダイニングに造作した。

 以前よりも明るさが増し、「毎日ワクワクしながら生活しています」と笑顔の奥様。中庭の活用など、今後の楽しみも尽きないようだ。

間取り

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リフォーム概要

延床面積 142㎡(43坪)
施工箇所 浴室、洗面室、トイレを除く1階全面
工事期間 4カ月
築年数 約18年
種類 戸建て
家族構成 両親+夫婦+子ども1人
施工 マエダハウジング五日市店

リフォーム前

リフォームを終えて

当初、自分たちがイメージした手描きの間取り図があったのですが、それを踏まえながら設計士さんがゾーニングをしていく過程でウッドデッキの中庭が生まれるなど、感動しながらプランが出来上がっていきました。両親と同居するための家は大満足の仕上がりになり、どれもこれもがお気に入りで毎日気持ち良く暮らすことができています。夜に中庭を照らすおしゃれな照明を付けたいし、テーブルを置いてお茶も楽しみたいし、これからもやりたいことがいっぱいです。