No.831 東広島市 M様邸 戸建全面リフォーム事例

職人の技が息づく一刀彫の欄間を残したバリアフリー対応の家

リフォーム前

玄関 キッチン
和室 和室

 ご主人の定年退職を前に、実家でご両親との同居を検討されていたM様ご夫婦。「母も歳を重ねたので、築55年の家の中の段差や、勾配がきつい階段などが気になっていました」とご主人。奥様も「お風呂やトイレが離れた場所にあるので、使い勝手が悪いなと常々感じていたんです」と続ける。
 そこで、数年前に足を運んだリフォームフェアで、好印象を受けたマエダハウジングに電話でアプローチ。東広島店で早速打ち合わせがスタートした。しかし、水回りを直す程度に考えていたリフォームプランは、思いのほか大がかりなものに。「家を診断してもらった結果、床の耐震性などにも問題が見つかり、基礎の補強から提案されました。盆や正月には子どもや孫が来るし、思い切って大規模リノベーションをしようと決めたんです」とご主人は振り返る。
 間取り変更のポイントは、玄関から真っすぐ伸びていた廊下と両隣の和室、広縁をなくし、広々としたLDKを設けること。家事効率にも配慮し、キッチンから玄関ホールやトイレ、浴室などに移動しやすい回遊動線を取り入れた。また、古い家の寒さを解消できるよう、窓は複合サッシに、床には新たに断熱材を施工した。

 リフォーム計画でご主人が希望されたのが、和室に使われていた欄間を生かすこと。「全て取り払って吹き抜けにする案も考えましたが、60年ぐらい前、大工だった父親の知人が、一枚板を一刀彫で仕上げた力作。インテリアとして活用してほしいとお願いしたんです」。そんなご主人の要望をくみ取り、ストーリー性がある4枚の欄間を、リビング上部にL字型に設置。また、お父様の職人としての足跡をたどれるように、当時手掛けられた書院欄間を、玄関ホールの明かり取りに再利用した。
 日本建築の伝統美を残しながら、同時に生活の利便性・快適性を追求したM様邸。「家の中が全体的に明るくなりましたし、リビングが広くなって、親戚が集まりやすくなりました」と奥様。総勢13人の恒例の集いが、ますます楽しみになりそうだ。


二間続きの和室1室と2階を、ほぼそのままの間取りとして残し、その他は大幅にレイアウトを変更。キッチンを中心にした動線を考え、水回りを家の中心部にまとめたことで、使いやすさ・暮らしやすさを実感できる住まいに生まれ変わった。勾配を緩やかに変えた階段、随所に設置した手すり、建具のほとんどに採用した引き戸など、バリアフリーの面からも納得できるリフォームが実現している。

リフォーム後

床の間の垂れ壁はR型に施工しモダンな印象に。もともとあった柱を生かす形で、違い棚を造作している。和室とリビングの壁の一部は漆喰で仕上げた 唯一間取り変更を行わなかった和室。「リフォーム前にあった掘りごたつを残したい」との要望から、6面ヒーター式の掘り座卓を採用
リビングの鴨居は残し、鶴や鷹、家紋などが彫られた力強い欄間をはめ込んだ。 「和室であまり人目に触れることがなかったものですが、リフォームして見せる欄間に生まれ変わりました」とご主人
家族が集まる機会が多いため、キッチンスペースは広く設計。床には掃除がしやすいフロアタイルを採用 複数の手すりを設け、入浴時の安全に配慮。壁の一部は、レトロ感漂う水色のモザイクタイル風に
十分な広さを確保した洗面室。家の裏手の野菜畑に出られるように、便利な勝手口を設けている お母様の部屋の隣にトイレをレイアウト。2人でも入れる広々設計で、L字型の手すりも設置している
収納がほとんどなかった玄関に、大きめのシューズクロゼットを新設。高かった段差もステップを取り付けて緩和した 台所だった部屋はご主人の寝室に。悠々自適に過ごせるように、専用のテレビも据えられている
玄関ホールとダイニングを仕切る壁に、お父様が丹精込めて作られた組子欄間を採用。美しい細工が空間のアクセントに 和室の奥にある奥様用の寝室。ワイドなクロゼットや可動式の棚を造り付け、収納力を高めた

リフォーム概要

リフォーム費用 約2000万円
種類 戸建て
築年数 約55年
施工面積 153.7㎡(46.6坪)
施工箇所 全面
工事期間 6ヵ月
家族構成 両親+夫婦
施工 マエダハウジング東広島店
トップ画像

リフォームを終えて

昨年、母がお風呂で転んだことがあったので、バリアフリー対応にしてもらったことが、一番の安心になりました。また、月に一度施設から帰ってくる父も「段差がなくなって快適になった」と喜んでいます。家の解体からという大工事になりましたが、退職前に終の棲家を安全にきれいに整えられてとても満足。思い切ってリフォームして良かったです。