住宅取得資金の提供を受ける場合の贈与税と非課税枠について

住宅取得資金の提供を受ける場合の贈与税と非課税枠について
住宅を購入する際に、両親または祖父母などから住宅取得資金の提供を受けるという方も少なくないでしょう。しかし、住宅取得資金の提供を受ける際には、贈与税が発生することを忘れてはいけません。今回は、住宅購入の際の資金提供に関する贈与税とその非課税枠について紹介します。この非課税特例を活用することで、贈与税の負担を抑えることが可能です。上手に活用して、住宅購入を少しでもお得に進めていきましょう。

両親または祖父母などから住宅資金をもらった場合は贈与税がかかる

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住宅を購入する際に、両親または祖父母などから住宅取得資金の提供を受ける場合は、贈与税がかかります。ここではまず、贈与税について詳しく確認していきましょう。


贈与税って?

贈与税とは、個人から財産の提供を受けたときにかかる税金です。個人ではない会社や法人からの財産提供は、贈与税の対象にはなりませんが、所得税がかかります。その他にも、自身が保険料を負担していない生命保険を受け取った場合や、債務の免除を受けて利益を得た場合は、贈与税の対象になるので覚えておきましょう。
ただし、死亡した人が、自身を被保険者として保険料を負担していた場合は、生命保険を受け取っても贈与にはならず、相続税の対象になります。


住宅取得資金の贈与税とは?

住宅取得資金における贈与税とは、両親または祖父母などの直系尊属から住宅資金の贈与を受けた場合に発生する税金です。
住宅資金とは、自身の住居用の家屋の新築や取得、または増改築などの対価に充てるための資金。そのような住宅取得資金を得た際に、一定の要件を満たす場合には、贈与税の申告を行わなければいけません。

そして知っておきたいのが、一定の金額においてこの贈与税が非課税になる制度があること。次は、この非課税になる制度について詳しく見ていきましょう。


住宅取得資金贈与の非課税枠を受けるための条件は?

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住宅取得資金贈与の非課税枠とは、住宅を新築や増改築などした場合に、贈与税が一定の額まで非課税になる制度です。非課税の対象になるのは、2015年1月1日から2021年12月31日までの間に提供された資金になります。
新築や増改築などした住宅の種類ごとに非課税限度額が異なるのが特徴です。ここからは、非課税限度額についても詳しく解説しましょう。


非課税限度額とは?

非課税限度額は、受贈者が最初に非課税の特例の適応を受けようとする住宅用の契約を結んだ年月日や、住宅の性能や適応される消費税などによって金額が異なります。

・適応される消費税率が10%の住宅の場合
契約の締結日が、2019年4月1日~2020年3月31日で省エネ等住宅なら3,000万円、それ以外なら2,500万円。契約の締結日が、2020年4月1日~2021年3月31日で省エネ等住宅なら1,500万円、それ以外なら1,000万円です。

・適応される消費税率が8%の住宅の場合
契約の締結日が、~2015年12月31日で省エネ等住宅なら1,500万円、それ以外なら1,000万円。契約の締結日が、2016年1月1日~2020年3月31日で省エネ等住宅なら1,200万円それ以外なら700万円です。契約の締結日が、2020年4月1日~2021年3月31日で省エネ等住宅なら1,000万円それ以外なら500万円です。

既に、非課税の特例の適用を受けて、贈与税が非課税となった金額がある場合は、その金額を排除した残りの金額が非課税限度額になります。また、省エネ住宅等にあたる住宅とは、耐震性能・断熱性能・バリアフリー性能などが高いものです。機能性が高い程、非課税枠が増える仕組みになっています。

受贈者の要件としては、8つの要件を全て満たした場合が非課税の特例の対象です。
1.贈与者の直系卑属であること
2.贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上
3.贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下
4.2009年~2014年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けていない
5.一定の特別な関係がある人から住宅を取得しておらず、これらの人と請負契約等で新築・増改築をしたものではない
6.贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の金額を充てて住宅を新築等にすること
7.贈与を受けた際に、日本国内に住所を有していること
8.贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その住宅に居住または遅滞なくその住宅に居住することが確実であると見込まれること


相続時の精算課税とは?

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贈与税には、先程紹介した住宅取得等資金の非課税制度の他に、相続時精算課税制度という特例制度が適応できます。非課税制度は単独で使うこともできますが、相続時精算課税制度と組み合わせて使用することも可能。ただし、2021年12月31日までに贈与が行われた場合のみが対象になります。

この相続時精算課税とは、原則として20歳以上の子または孫に対して、60歳以上の父母または祖父母から財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度のことです。この制度を選択する場合は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に、贈与税の申告書を提出する必要があります。また、申告書には一定の書類の添付が必要です。

相続時精算課税の制度を選択した場合には、相続時精算課税に係る贈与者からの贈与を受ける財産について、申告した年以降全てに対して制度が適用されます。そのため、途中で暦年課税などに変更することはできません。 また、相続時精算課税の贈与者である父母または祖父母が亡くなった際の相続税の計算では、相続財産の価格に贈与財産を加算して相続税の金額を計算します。


住宅取得資金があるときは贈与税の非課税枠を上手に利用しよう

両親または祖父母などから住宅資金を貰った場合には、贈与税がかかることがわかりました。贈与税に関する内容はパターンもさまざまなので、困った場合はプロに相談してみましょう。
広島でのリノベーション施工事例数が豊富なマエダハウジングでは、リノベーションに関することはもちろん、その他、贈与税などに関する相談も受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。
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PROFILE この記事の監修者

前田 政登己
代表取締役社長 
前田 政登己
自動車メーカーからリフォーム業界に入るも「何ていい加減な業界なんだろう」という思いから1995年にリフォーム専門でマエダハウジングを創業。30年間、3万件以上の夢の住まいづくりに携わり、現在(2023年1月時点)9年連続広島県総合リフォーム売上1位(リフォーム産業新聞調べ)となる。「リフォームで家族の明るい会話を増やしたい」という思いから、リフォーム専門紙「広島の安心安全リフォーム」「広島リノスタイル」を出版。また、「中古を買ってリノベーション!」「困った空き家を生きた資産に変える20の方法」「漫画 失敗しないリフォーム・リノベーション」などの書籍も発行。 「経済産業大臣表彰 先進的なリフォーム事業者表彰」「中国地域ニュービジネス大賞優秀賞」にも選ばれた。