リノベーションの見積もりはこう見よう!見方や注意点、実例も紹介
「自宅の気になる箇所をリノベーションしたい!」と思ったら、まずすることは業者に見積もりを依頼することです。ですが、リノベーションが初めての方は「見積もりを取るにはまずどうしたら?」と悩むこともあるでしょう。
そこで今回は、リノベーション初心者の方に向け、リノベーションの見積もり表の見方や見積もりを見るときに注意すべきポイントを紹介します。
リノベーションの見積もり表の内容とは?
リノベーションの見積もり表には、主に以下のような内容が含まれます。
製品や建材にかかる「材料費」
キッチンであればシンク、トイレなら便器やタンクなど、製品・機器にかかる費用や、リノベーション時に必要になってくる建材にかかる費用です。「施工費」=人件費と考えて
施工費とは、リノベーション時にかかる職人たちの人件費を指しています。リノベーションに関わる人数が多ければ、その分施工費も膨らむことがほとんどです。工事の管理にかかる「諸経費」
工事を施工する上でかかる、通信費や交通費、保険にかかる費用などをまとめて諸経費といいます。業者によってさまざまですが、相場として工事費の約10~15%で設定しているケースが多いようです。見積もり表は「このリノベーションをするにはこれくらいの費用がかかる」という大まかな概算であり、見積もり総額ばかりに目が行きがちです。しかし、どの項目にどれくらいの費用がかかる予定なのかは必ずチェックし、シミュレーションしておきましょう。
リノベーションの見積もりはどのように取る?
リノベーションの見積もりの取り方には知っておくと良いコツがあります。「見積もりは何社から取ったら良いか?」「どうやって見積もりを依頼したらいいか?」を知りたい方は、ぜひ覚えておいてくださいね。
見積もりを取る
見積もり前に資料請求をしたりホームページを見たりして業者のピックアップをしておきましょう。業者によってデザインや機能などどんなところを重視しているかの特色が異なります。自分の希望どおりのリノベーションができそうな業者を見極めるための判断材料にしましょう。どの業者にも同じ条件を提示する
複数の業者に見積もりを依頼する際は、全て同じ条件で出すようにしましょう。条件が同じでないと、業者の比較ができません。リノベーション内容、予算、条件などの希望を具体的に伝えることで比較検討がしやすくなります。
あらかじめメモにまとめておくと便利です。
リノベーションの見積もりの見方は?
見積もり表を受け取ったら、以下の箇所をチェックしましょう。
・見積もり表の作成日(日付)
・業者名(社名、連絡先、担当者名、社印)
・有効期限
・工事範囲・内容
・見積もり総額(合計金額)
・特記事項など
見積もり表に記載されているのはこれらの項目です。工事範囲・内容については、要望した内容がしっかりと反映されているかどうかを確認します。見積もり表には見積もりに含まれない内容や工事の条件といった特記事項・見積もり除外事項などが記載されていることもあるため、こちらも要チェックです。
また、詳細について別紙がある場合は以下もチェックしてください。
・区分
・単価・数量、品番など
工事費や材料費など、区分ごとに詳細が記載されています。工事で使用する商品の品番なども記載されているため、仕様書と照らし合わせて確認しましょう。分からない部分は業者に問い合わせてくださいね。
リノベーションの見積もり内容で注意するポイント
見積もりを取る際に注意するポイントをお教えします。
見積もり表の内訳を確認しよう
工事内容が「一式」というように曖昧な言葉で表されている場合は、内訳を必ず確認するようにしてください。使用する製品のメーカー名や型番、単価、個数はもちろん、部材や材料が適切な量であるのかもチェックしておきましょう。
リノベーション時に指定のメーカーがある方は、「指定した製品が含まれているか」「価格は適正か」もしっかりと見るようにしてください。同じ製品を使うのに他社の見積もりと価格が異なっている、高すぎるもしくは安すぎる場合は、一度業者に問い合わせてみましょう。
工事後のアフターケアが含まれているかチェック
リノベーション完了後、住んでいて不具合が出てくる可能性もないとは言い切れません。メンテナンスが必要となった場合、保証期間内や保証条件内であればメンテナンスを実施してくれる業者もあります。見積もり表の中に工事後のアフターケアが含まれているのかどうか、保証期間やメンテナンスの受付日時、定期点検の有無などをしっかり確認しておきましょう。
見積もりの有効期限を確認
見積もり表の有効期限は確認しておきましょう。リノベーションは何度か見積もりを依頼する場合もあり、変更により費用や内訳が変わる場合があります。いつの見積もり表なのかをはっきりさせるためにも、日付とともに有効期限も必ず確認をしてくださいね。戸建てやマンションの実例紹介
併せてリフォーム・リノベーションの実例を戸建てとマンションでそれぞれ紹介しますので参考にしてくださいね。一戸建て全面リノベーションの内容
こちらは築40年の一戸建て(2階建て、106㎡)の実例です。1階はほぼ全面と、2階サッシ部分をリノベーションしました。独立した間取りだったダイニングキッチンとリビングを一体化し、LDKに変更しています。
猫を飼われているお宅のため、リビングに隣接したフリースペースの上部に専用のキャットウォークを設置しました。猫ちゃんにとっても心地良い空間のようで、よくここで休んでいるそうです。
トイレについては手すりを設置、設備の入れ替えを実施した他、デザインクロスに貼り替えを行っています。
中古マンションリノベーションの内容
こちらは中古マンションの全面リノベーション実例です。築17年の物件で、施工面積は82.5㎡
空間を広く使いたいとのご要望から、4LDKだった間取りを1SLDKに変更、開放感あふれる造りとなっています。室内は白を基調としているため、明るい雰囲気となりました。
キッチンのカウンターは家電のサイズを採寸したオリジナル仕様です。使い勝手の良いキッチンに仕上がり、奥様も満足されているそうです。
ポイントをおさえてリノベーションの見積もりを取ろう
見積もり表には普段なじみのない単語も出てくるため、初めのうちは見積もり表自体を理解するのも少し難しい場合もあるでしょう。しかし、複数の見積もり表を見ているうちに気を付けるべきポイントが分かってくると思います。リノベーションするにはそれなりの費用がかかります。後から「あのときやっぱりこうしておけば...」と後悔しないためにも、ぜひとも見積もりの取り方やポイントをおさえておきましょう。業者とやりとりするときに役立ててくださいね。
PROFILE この記事の監修者
代表取締役社長
前田 政登己
前田 政登己
自動車メーカーからリフォーム業界に入るも「何ていい加減な業界なんだろう」という思いから1995年にリフォーム専門でマエダハウジングを創業。30年間、3万件以上の夢の住まいづくりに携わり、現在(2023年1月時点)9年連続広島県総合リフォーム売上1位(リフォーム産業新聞調べ)となる。「リフォームで家族の明るい会話を増やしたい」という思いから、リフォーム専門紙「広島の安心安全リフォーム」「広島リノスタイル」を出版。また、「中古を買ってリノベーション!」「困った空き家を生きた資産に変える20の方法」「漫画 失敗しないリフォーム・リノベーション」などの書籍も発行。
「経済産業大臣表彰 先進的なリフォーム事業者表彰」「中国地域ニュービジネス大賞優秀賞」にも選ばれた。